ホルモン補充療法(HRT)はなぜ効くか?
更年期障害の原因のかなりの部分は卵巣からのホルモンの分泌が減少し、その結果、自律神経が失調するためです。
ですから、自律神経の失調を回復するにはホルモン、特に卵胞ホルモン(エストロゲン(E))を補充してあげればよいわけです。これがHRTの原理です。
事実、HRTにより更年期障害の多くがかなり速やかに劇的に改善します。
更年期障害の原因のかなりの部分は卵巣からのホルモンの分泌が減少し、その結果、自律神経が失調するためです。
ですから、自律神経の失調を回復するにはホルモン、特に卵胞ホルモン(エストロゲン(E))を補充してあげればよいわけです。これがHRTの原理です。
事実、HRTにより更年期障害の多くがかなり速やかに劇的に改善します。
エストロゲンを補充します。しかし、エストロゲンだけを補充すると出血や乳房の張りなど不快な症状を伴います。
これらを予防するために黄体ホルモン(プロゲステロン(P))というもう一種の卵巣ホルモンを補充する必要があります。(黄体ホルモンは排卵した後に卵巣から分泌されるホルモンです。)
ですからHRTはエストロゲンとプロゲステロンの2種類のホルモンを補充することが基本的な方法です。
内服(飲み薬)
プレマリンと呼ばれる卵胞ホルモンを含んでいる錠剤を飲む方法となります。卵胞ホルモンは、人の卵巣や胎盤から主に分泌されている女性ホルモンのひとつです。また、卵巣や子宮、乳腺などの発達を促進したりする女性ホルモンとなります。黄体ホルモンも同じように飲みます。黄体ホルモンは、黄体や胎盤から分泌されている女性ホルモンです。
貼り薬(貼布剤)
薬を飲む代わりに湿布薬のような貼り薬(パッチ剤)をへその横や腰に貼る方法となります。張り薬貼った皮膚から女性ホルモンである卵胞ホルモンが放たれて、皮膚の内側にある毛細血管の中へ取り込まれて効果を発揮します。
どちらの療法も、女性ホルモンを補って活発化させる方法となります。
日本で使用可能なパッチ剤には2種類あります。一つは1日毎に貼りかえるタイプ(エストラダームM)と週に2回貼りかえるタイプ(フェミエスト)があります。
どちらのタイプも入浴後におへその横、あるいは腰に500円玉大のパッチ剤を貼っておくだけです。
もちろんパッチをはったまま日常生活は普通にできますし、そのまま入浴してもはがれません。そして2日あるいは3日後に同じものをはりかえるのです。
HRTで補充されたホルモンは当然、子宮にも作用します。ですから、HRTによって月経のような出血があります。しかし、既に閉経した婦人はまた生理(出血)があるのはわずらわしいものです。
このような人には出血をこさせないで治療する方法が用いられます。パッチ剤(貼り薬)を2~3日毎に貼りかえながら連続してはりつづけます。
また黄体ホルモンの内服薬を1日1錠服用し、これも連続します。すると出血がなく、HRTができます。閉経して2年以上経っている人に向いています。
パッチ剤の使い方は、何回も貼り続ける使い方となります。そして、黄体や胎盤から分泌されている女性ホルモンでもある黄体ホルモンを含んだ内服薬のプロベラ錠を、月末の10日間限定で1日1錠飲むようにします。そうすると次の月の初め、月経のような少量の出血が見られます。
この方法は、月経が止まってしまう前(閉経前)の人や閉経した後2年以内の女性に適しています。閉経前や閉経して間もない女性に、女性ホルモンを含んだプロベラ錠を服用してもらうということです。更年期障害の治療は、女性ホルモンをいかにして補うかということになります。
HRTでよく改善する症状は顔のほてり、発汗、息切れ、動悸などの血管運動神経症状とよばれる症状でかなり改善がみられます。
これに加え、イライラ、不眠、憂うつなど精神症状もかなり軽減します。その結果、身心ともに元気を取り戻し、以前のように元気に日常生活が送れるようになったと感じる人が多いのです。
更年期に入り低下していた性欲も向上し、またいわゆる性感も上昇して性生活にも積極的になり、もとの良好な夫婦関係をとりもどせたという方も少なくありません。
しかし一方HRTは万能な方法ではありません。寝つきが悪い、あるいは眠りが浅い人や手足の冷えなどはHRTでは充分に治療しにくい症状です。
このような人には軽い睡眠剤や漢方薬も併用することがあります。以上のようにHRTは更年期障害のすべてを改善できませんが、かなりの症状にとても有効であるといっても過言ではありません。
骨粗鬆症を予防する
閉経後には少しずつ骨塩(骨を形成している成分)が減少していきますが、HRTによりその減少をかなりくい止めることが可能です。ですから骨粗しょう症の予防に有効です。
コレステロールの上昇を抑える
女性は更年期になると、コレステロールが上昇します。逆に卵胞ホルモンを補充することによって、このコレステロールの上昇に歯止めをかけることも可能となります。実際には、HRTに加え、食事療法や運動も大切です。
アルツハイマー病の予防にも有効か?
卵胞ホルモンの補充により、アルツハイマー病の予防にも効果的であると、多くの報告があります。
お肌のシワ、たるみの改善
お肌が若返ったように感じ、実際にはりが出たり、しわが減り、お肌にうるおいを感じるようになったと感謝されることがしばしばあります。これはHRTにより皮膚のコラーゲンが増えるためと考えられています。
更年期障害にHRT(ホルモン補充療法)は、大変効果を期待することができます。ですが、HRT(ホルモン補充療法)は、すべてにおいて良い方法だということはできません。例を挙げるとすれば、治療による副作用とまではいかないにしても、悪い面が起こることがあります。
少量の出血、または乳房が張るというような感覚、わずかに体重が増えるというようなことが見られることがあります。しかし、そのほとんどは解消することができます。
更年期障害の治療ですが、どのような方法を用いて女性ホルモンを補っていくかという治療法が代表的な治療法方となります。女性ホルモンを補うことにより、更年期障害は改善されると思いますが、そのことにより、デメリットも伴います。自分に合った更年期障害の治療法を選択しましょう。
更年期障害に対して行なうHRT(ホルモン補充療法)は、健康保険を利用することができます。ですから、病院などの医療機関でHRT(ホルモン補充療法)を望めば、健康保険を利用して治療を受けることができます。
かかる費用は、言うまでもなく莫大なものではありません。心配せずに、病院で治療を受けましょう。更年期障害の治療は、短期で済む人もいれば、長期に渡る人もいます。医療の費用は、健康保険が使えるか使えないかで、自己負担額が変わってきます。
当然、健康保険を利用できる方が、費用は低く抑えることができます。更年期障害の治療は健康保険の適用となりますから、自己負担額を抑えることが可能です。上手に保険を利用して、賢く治療を行いましょう。
更年期障害は、ちゃんと治療のできる症状だということを理解してください。更年期障害は、辛抱しなければならないというものではありません。更年期障害の症状に気づいたら、なるべく早期に治療施設に相談しましょう。
また、HRT(ホルモン補充療法)は、恐怖を味わうような治療法ではありません。単純に更年期障害を治療するだけではなく、骨粗しょう症を防ぐことが可能で、その後の生活を豊かで楽しくするための治療法です。
更年期障害は、大変気持ちが憂鬱になってしまう部分も多いかと思います。ですが、きちんと治療を受ければ、安定した症状を保つことができ、無事に乗り切ることができます。更年期障害の治療法は、メリットもあればデメリットもあります。ですが、今後の生活を楽しく前向きに送れるようにするために、治療をするのです。